倒産統計総合版

平成30年10月1日~平成30年10月31日現在(負債単位:億円)

会社名 所在地 業  種 状 況 負 債
(株)エム・テック 東京 総合建設 民事再生法申請 253億円
TS商事(株) 奈良 集成材 特別清算開始 42億円

 

 負債30億円以上の大型倒産は2社で、前年同月比3社、前月比で2社とそれぞれ減少となった。また、上場企業の倒産については6月の日本海洋掘削(株)(東証1部)以降は生していない。
 当月の負債額トップは(株)エム・テックの253億4930万円。さいたま市の地場ゼネコンで、独自のPC工法や橋梁工事におけるPCF工法を駆使して、他社が尻込みする難度の高い案件を中心に入札することで高い収益性を堅持。官公需主体による全国展開で29/7期には年商約253円を計上していた。しかし、受注の急拡大に資金繰りが追い付かず、下請け業者や取引業者への支払トラブルが数多く発生。そうした中、29年12月に(株)PROEARTH(厚木市)の民事再生法申請で約10億円の大口焦付きが発生。その後、同社のスポンサー企業になることを発表していたが、同社に不正リースなどの不適切会計が発覚し、スポンサーを下りたことで話題となった。さらに、今年3月、一部の公共工事で手続きの不備や施工上の問題が発覚し、東京地検から港則法違反で起訴されたことで、200以上の自治体から指名停止処分を受ける不祥事が発生。そのため、新たな公共工事の受注は困難となり、資金調達も難しくなり、民事再生法の申し立てとなった。その後、10月4日に開催した債権者向け説明会では、(株)冨士工(東京都品川区)がスポンサー候補として再建に取り組むことになっていたが、支援を得ることが難しくなり、10月22日に再生手続き廃止決定を受け、破産手続きへ移行することになった。
 夏から続いていた自然災害の影響が一巡するに伴い、景気は再び回復軌道に復帰する見込み。中小企業の設備投資マインドも好転しており、旺盛な投資需要が景気をけん引する見込みで、個人消費についても雇用・所得環境の改善が続くことから再び穏やかに持ち直していく見通し。米中貿易摩擦など輸出環境の不透明感は否めないものの、主要輸出先であるアジア新興国での製造設備の高度化やインフラ関連の投資需要の拡大を背景に、輸出は資本財を中心に堅調に推移する見込みだ。
 関西地区の倒産件数は9月が大阪、兵庫での大幅減少を反映して、128件と大幅ダウンとなったが、10月は210件と例月並の水準に戻っている。負債額でも9月は75億円とバブル景気の平成3年2月以来の金額で、1960年代に匹敵する記録的な低水準となったが、10月はTS商事(株)(奈良五條市)42億円、(株)メイクソフトウェア(大阪北区)21億円などの倒産もあり、前月比約3倍増の211億円となった。
 金融機関の積極的な融資姿勢は変わりないが、人手不足や材料高、原油価格高止まりなどコスト増は続いており、資金繰り難に陥っている企業も多ければ、倒産件数は増減を繰り返しながら増えていく可能性が高い。