倒産統計繊維版

発生件数33件、負債額39億3600万円
2月に続き、件数・負債額ともに低水準

 2018年(平成30年)3月の全国繊維業者の倒産(負債額1000万円以上=整理・内整理含む)は33件で、前月比2件(5.7%)、前年同月比16件(32.7%)それぞれ減少した。
 負債額は、39億3600万円で、前月比2億4000万円(6.5%)増加したが、前年同月比では27億3400万円(41.3%)と大きく減少した。
 負債額10億円を超える大型倒産は、当月ゼロ(前月同)。5億円以上も(株)アイエス・トレーディング(東京、かばん・袋物ほか小売、負債額8億円)の1社。3億以上でも(株)イカット(静岡県浜松市、服地製造、負債額3億2800万円)と(株)ジップ(東京、婦人服ほか製造、負債額3億1700万円)の2社のみで、引き続き小規模倒産が大勢を占める結果となった。
 1月は倒産発生件数が50件を超え、繊維業界を取り巻く環境悪化を予見させたが、2月以降は再び倒産発生が小康状態に戻り、当月も月を通して比較的平穏な推移となった。
 国内情勢は森友学園問題により国会が紛糾し、与野党間の緊張状態が続き、政治は混迷状態となった。外交面でも米国を中心とした貿易問題、北朝鮮関連など課題は山積みで、株価や為替に与える影響も大きく、3月の企業短期経済観測調査(短観)でも、大企業製造業の景況感が8四半期振りに悪化した。
 また、消費動向も引き続きインバウンド頼みの感は拭えず、春節で中国から例年同様に多くの観光客が入国したが、関税等の問題で過去に見られたような「爆買い」は影を潜め、化粧品など一部を除いて他の商品は前期比マイナスの基調となっている(2月全国百貨店売上高0.9%減=3カ月連続)。
 繊維業界も寒さが長引いたこともあって、春物の動きが鈍く、カジュアルチェーンを中心に前年割れとなっている企業も見られる。店頭での苦戦が伝えられる中、今後資金繰りに窮する企業が出てくる可能性もあり、目先倒産が多発する危険は少ないと見られるものの、注意は必要である。
 業種別では、「小売商」16件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」5件、「ニット製品・洋品雑貨製造卸」4件、「その他」3件、「染色整理・特殊加工」2件、「織物製造」「呉服・和装製品」「寝具・インテリア」が各1件。
 原因別では、「業績ジリ貧」が31件で全体の9割強(93.9%)を占め、以下「過剰投資」と「業況急変」が各1件。

 

負債額3億円以上の先(動揺、内整理、整理廃業も含む)(単位万円)

(株)アイ・エス・トレーディング 東 京 かばん・袋物他小売 80,000 連絡難
(株)イカット 浜 松 服地製造 32,800 破産手続開始
(株)ジップ 東 京 婦人服他製造 31,700 破産手続開始