倒産統計繊維版


発生件数32件、負債額62億4400万円
件数は低水準も、負債額は前月・前年同月比増加

 2018年(平成30年)4月の全国繊維業者の倒産(負債額1000万円以上=整理・内整理含む)は32件で、前月比で1件(3.0%)減少だったが、前年同月比では2件(6.7%)の増加となった。
 負債額は、62億4400万円で前月比23億800万円(58.6%)、前年同月比で17億5200万円(39.0%)の増加となった。
 負債額10億円を超える大型倒産は㈱全通(東京都江東区、ギフト・販促用品卸、負債額18億円)、同5億円超は㈱オガワ(名古屋市、ギフト用品小売ほか、負債額7億円)の各1件で、次いで㈱交絢社(秋田県横手市、ギフト・民芸品小売ほか、負債額4億9000万円)となった。
 4月も負債額1億円未満の少額倒産が13件で40.6%を占めたが、4億円台が2件、3億円台が3件とここ最近では比較的負債額がまとまる倒産が多かった。
 当月発生した㈱全通と㈱交絢社は、両社とも2日に事業停止して事後を弁護士に委任。㈱交絢社は㈱全通の加盟店の1社で、㈱全通の「事業停止のお知らせとお詫び」によると、破たんの原因は加盟店倒産の影響を理由としている。
 また、13日付で事後を弁護士に委任した㈱オガワは、大口案件の取引における入金遅れにより、資金計画に狂いが生じたとしている。
 3社の破たんの関連性はまだ調査中であるが、同業界内での相次ぐ倒産により、今後更に取引・関係先などへの影響拡大も一部では懸念されており、動向には留意が必要である。
 国内外ともに政治的案件を多数抱え、一部景況感の悪化が見られ、景気拡大の持続に陰りが見え始めているものの、当月は比較的落ち着いた状況で、引き続き百貨店業界はインバウンド(免税売上)が好調で、気温の高まりで衣料品や帽子など洋品の動きも活発化、一部カジュアルチェーンでも夏物の前倒しで堅調な推移が見られた。
 しかし、米国の財政や貿易問題をはじめ世界的な動きの中で、4月後半から急速に円安が進んでおり、輸入依存度の高い繊維業界にとっては、今後企業収益に与える影響が懸念される。
 業種別では、「小売商」15件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」「ニット製品・洋品雑貨製造卸」「その他」各4件、「寝具・インテリア製品製造卸」3件、「染色整理・特殊加工」「織物製造」が各1件。
 原因別では、「業績ジリ貧」が28件で全体の87.5%を占め、以下「業況急変」4件となった。

 

負債額4億円以上の先(動揺、内整理、整理廃業も含む)(単位万円)

(株)全通 東 京 ギフト・販促用品卸 180,000 弁護士委任
(株)オガワ 名古屋 ギフト用品小売他 70,000 破産申請へ
(株)交絢社 横 手 ギフト・民芸品小売他 49,000 破産申請へ
(株)パスポート 善通寺 カジュアルウエア小売 40,000 破産手続開始