倒産統計繊維版(2016年12月)

発生件数33件、負債額59億3300万円
負債は前月・前年比ともに減少

 2016年(平成28年)11月の全国繊維業者の倒産(負債額1000万円以上=整理・内整理含む)は33件で、前月比4件(13.8%)増加したが、前年同月比9件(21.4%)減少した。
 負債額は、59億3300万円で前月比24億2800万円(29.0%)、前年同月比では11億4000万円(16.1%)の減少となった。
 負債額10億円を超える大型倒産は、NYD㈱(旧商号四国繊維販売㈱、高松市、羊毛ふとんほか製造、負債額13億円)、㈱リアム(群馬県富岡市、カジュアルウエア製造小売、負債額10億円)の2社、以外で負債額5億円以上は㈱サンフランシスコ・エンタープライズ(東京都北区、婦人服・洋品小売、負債額5億円)、丸米㈱(福岡県久留米市、寝具ほか卸、負債額5億円)の2社のみとなった。
 件数は前月比増加となったものの、負債総額は大きく減少、丸米㈱を除く前記3社は事業移管後の債務整理などを目的としており、これを除けば零細企業の破たんが大半であった。
 アメリカ大統領選以降、トランプ次期米大統領の政策への思惑から急ピッチで円安・株高の流れが加速したことで、大手・輸出関連企業の先行き業績予想は好転の兆しが見えている。
 しかし、10月の商業動態統計(速報)による小売業販売額を見ても、前年同月比0.1%減の11兆5590億円で、8カ月連続で前年実績を下回り、特に百貨店・SCにおける衣料品の不振が目立ち、同月の家計調査の支出も同様に8カ月連続で減少。
 当月は大手小売などがアメリカ式大型セールの「ブラックフライデー」を導入するなど、消費喚起を促したものの、成果は限定的であったと見られ、回復までには至っておらず、年末年始商戦にも不安を残している。
 また、急激な円安は今後輸入中心となっている繊維業界にとっては、仕入コストの面で大きな懸念材料であり、商品価格に転嫁できない中、業績に与える影響は無視できず、年内の倒産多発はないと見られるが、年明け後の決済集中時期に向け、楽観視できない状況が続くものと見られる。
 業種別では、「小売商」が11件と最も多く、次いで「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」10件、「寝具・インテリア製品製造卸」4件、「その他」3件、「染色整理・特殊加工」「ニット製品・洋品雑貨製造卸」各2件、「呉服・和装製品製造卸」1件となった。
 原因別では、「業績ジリ貧」が26件と全体の78.8%を占め、以下「業況急変」5件、「資金力薄弱」「放漫経営」各1件となっている。

 

負債額5億円以上の先(動揺、内整理、整理廃業も含む)(単位万円)

NYD(株) 高 松 羊毛ふとん他製造 130,000 特別清算開始
(株)リアム 富 岡 カジュアルウエア製造小売 100,000 破産手続開始
(株)サンフランシスコ・エンタープライズ 東 京 婦人服・洋品小売 50,000 破産手続開始
丸米(株) 久留米 寝具ほか卸 50,000 破産申請へ